bnkosyouのブログ

表記された言葉の奥にあるもの//言い終えて何かあるか、俳句は詩、ということを忘れている人は多い

古典

 

 


梅が香にのつと日の出る山路かな_芭蕉
表記の言葉から・・梅が香る山みち、余寒の早朝。
「のつと」は、副詞、文脈から読み解けば「突然」尾根道の樹林帯を抜けたのでしょう。(突然の日の出はない)
この句は「梅が香の巻」の発句。

梅が香にのつと日の出る山路かな_芭蕉
ところどころに雉子の啼きたつ_野坡
家普請を春のてすきにとりついて_々
上のたよりにあがる米の値_芭蕉
宵の内ばらばらとせし月の雲_々
藪越はなすあきのさびしき_野坡

古典を読み解くのは学者の仕事、一般俳人には難しい。

芭蕉句集から少し探ってみました。
発句には脇句(七・七が付きます)
脇句は、発句の情景が具体化します。
発句の、香りと色彩の世界に、雉の勢いのいい鳴き声が加わります。
三の平句、「啼きたつ」から音につなげて「家の普請」の音でしょう。
「てすき」は、農閑期。
四の「上のたより」は上方からの便り。
五で大きく転換させて、季節は秋(月)。
芭蕉の「ばらばら」を、野坡は、藪越と転じている。