bnkosyouのブログ

表記された言葉の奥にあるもの//言い終えて何かあるか、俳句は詩、ということを忘れている人は多い

漱石が脳天気だったら名作は生まれなかった

魂にも身体と同じに健康と病気がある。
両者は信仰と習慣によって左右される。
人がいなければ神は存在しない、これは自明の理、人が、人を左右するには、神をもって来れば易い。
雁風呂や波の上なる宵の星―棚山波朗
「雁風呂」秋に渡来するとき咥えてきた木片を、春咥えて帰ると考え、残った木片は日本で死んだものとする俗信が下敷きにある。
俗信に害はないが、迷信には害がある、迷信で命を落とす人はゴマンといる。
藻を焼いて浜の煙れる雨水かなー波朗
松風に驚く松も雨水かな池田澄子
澄子は個性的な句で屹立しているけれど、俳句の義務教育は卒業している。
魂を病まぬ男や漱石忌―bn・未発表
漱石が脳天気だったら名作は生まれなかった、天は二物を与えない。