百句他解シリーズ1・№4 池田澄子 兜太百句を詠む。
最も多く知っている人間がもっとも少なく喋る
「西洋金言集」
梅咲いて庭中に青鮫が来ている
金子兜太
池田―三橋敏雄が話しているのを聞いたと思うんですが
「庭中に梅が咲いたら、いかにも庭が海のようで、いかにも青鮫がきそうだ」と、三橋先生が仰っていたことがありました。
金子―分かるわかる。
ただちょっと説明ぽくなるなあ。
うんと省略してるからね。
三橋説は反対だ。
おれの気持ちではない。
池田―これはあまりにも有名なので、読みが自由にならないので次に行きます。
bnの解釈、鑑賞は。
梅が咲いている庭、兜太の幸せな今。
青鮫は、多くの戦死した戦友を比喩しているのだと思う。
若くして死ななければいけなかった戦友の遺恨。
そんなことが兜太の胸中に迫ってくるのではないか。
bnは、兜太の代表句は」この句だと思う。