「俳句は切字響きかな」波郷。
説明・解釈・批判
「説明」かくかくしかじかであるという類のことをさす。
「解釈」文章や物事の意味を、受け手側から理解すること。
その物の、ウエイトの置き方によって異なる。
「批判」物事の善悪を判定すること。
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季語・橡咲く・栃の花
山地に自生し、トチノキ科の落葉高木。
樹齢二百年以上の大木もある。
その実が飢饉のために保存する救荒植物(きゅうこうしょくぶつ)であった。
ある・かな?。
今でも橡餅として道の駅などで販売されている。
橡咲くやまぬがれ難き女の身
石田波郷
「や」の切れ字を使っているが緩やかな切断。
一拍おいた‘間’ということだと思う。
僕は、名句として心に仕舞いこんでいる。
見えてゐる遠くの風や橡の花
鈴木しげを
この「や」はつよい切断。
遠くで揺れている物をみて風を感じとっている。
この「物」は読者の領域、作者はその物に触れない。
橡の木は近くにある、しげをは直接触れているかも知れない。
遠近の響き合い、僕は、秀句だと思う。