虚子無用論・虚子六句
浅間背に日覆したる家並び
浅間山をバックに葦簀か何かで日除けした家が並んでいる。
流れ星悲しと言ひし女かな
「悲しと言ひし」感傷的。
感傷的な句はだめだ、それがどうしたのでしょう。
どんな巨匠でもつまらない作品が出来てしまうことはある。
でも、発表してはいけない。
蝉取(せみとり)の網過ぎてゆく塀のそと
それがどうしたのですか?
そんなこと報告されても感動はない。
髪の先蛇の如くに洗ひをり
比喩が安易。
川渉りくる人もある桃の宿
手ぬぐいを干して二人の鮎の宿
bn(発表・結社)
桑原武夫の俳句、第二芸術論。
主だった俳人達の虚子無用論、が起きたのも頷ける。
川崎展宏くんが虚子を書くと聞いたから、東北まで出かけて、「褒めて書け」と言ってきたんです。
(森澄雄)
https://ja.wikipedia.org/wiki/川崎展宏
川崎 展宏(かわさき てんこう、本名ではのぶひろ、1927年1月16日 - 2009年11月29日)は、広島県出身の俳人、国文学者。呉市生まれ。父は海軍士官。1953年、東京大学文学部国文学科卒業。1958年、同大学院満期退学。米沢女子大学、共立女子大学を経て、明治大学法学部教授。