午前九時始まる避暑の日課かな・・虚子
去つてゆく足跡ばかり春渚
吉田千嘉子
爪先はどちらを向いているのだろう。
陸の方と海のほうとでは解釈、鑑賞は違ってくる。
作者はそれを言っていない、だから奥の深い句になっている。
年齢も不肖。
写生句で、「実際そうだったんです」と言ったら、大した作者ではない。
思ったことを見たことのように写生する、それも写生句。
冷やかにその行く末を見守りぬ・高浜虚子
「冷やか」冷淡、愛そうもない様。
季語だけれど、季感は感じられない。
そのように解釈されるのも「に」にある。