bnkosyouのブログ

表記された言葉の奥にあるもの//言い終えて何かあるか、俳句は詩、ということを忘れている人は多い

2020-01-24から1日間の記事一覧

弟子の編んだ撰集(せんしゅう)に芭蕉が疑問を呈した。 なぜこの句が載っているのか。「下臥(したぶ)しにつかみ分けばやいとざくら」巴風が詠んだ発句。 弟子の去来は答える。「しだれ桜が満開に広がっているさまをよく言い尽くしているではありませんか」 芭蕉が答えていわく。 「いひおほせて何かある」。言い尽くしたとして、それがなんだ。 余情、余韻なくば発句にあらず、俳諧論書『去来抄』にある。 言い尽くさない美徳は句作の世界。

矢車に朝風強き幟かな内藤鳴雪 「幟(のぼり)」と「矢車」で夏 幟_戦陣、祭礼、儀式などに用いる。 ここは、矢車、とあるから、「鯉のぼり」でしょう。 夏近き吊手拭のそよぎかな内藤鳴雪 夏近き_晩春、と同じですが語感から来る印象は違う。

「はじめての雪」はじめてみる雪、「初雪」と紛らわしい。

やみ、やみ、やみ、深読みは作者にも令を失する はじめての雪闇に降り闇にやむ野澤節子 闇から闇に何か大きなことが動いて表に出ることがなく葬りさられる・これはない。 寝る時は雪がなかったが、朝起きてみたら見渡す限り一面白くなっていた。 「初雪や闇…