bnkosyouのブログ

表記された言葉の奥にあるもの//言い終えて何かあるか、俳句は詩、ということを忘れている人は多い

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

富士の機嫌顔

あさなさな富士の機嫌や初氷―bn(あさなさな「あさなあさなの約」)広辞苑。朝ごと・毎朝。 かんばせの富士の機嫌や初氷―bn(かんばせ「かおばせの転」)顔のさま、顔つき、容貌。

「ペプシ」でなければいけない

夏迎ふペプシの缶を振りながら―櫂未知子この句、取り上げた以上分からないでは作者に礼を失する。立夏は太陽暦の五月五日ごろ、まだそれほど暑くない、夏が好きな人は心が浮き立つ。ペプシの缶(炭酸水)を振れば、缶の中は上を下への大騒ぎ、立夏を迎える作…

説明句、報告句から脱却目指せばこうなる。

カタン糸指示のメールや寒さくる―bn

せんや

落葉道さか登らねばせんやなしーbn落葉道さかを登らばせんやあるーbn 其人を恋ひつゝ行けば野菊濃しー高浜虚子その人って誰なんだ、読者を無視した句、なぜ、野菊が濃いのでしょう。俳句は普遍性が必要。

両端

トンネルの両端の十三夜かな―正木ゆう子視点はとても面白い、でも、リズムが悪い。俳句は座の文芸と教わった。この句が句会で詠まれたら間違いなく言う、この句、三段切れと・・トンネルの両端の十三夜かなトンネルに入って、月が見えなくなる、片方の端にで…

俳句は理屈でない

ふるさとは盥に沈着く夏のものー高橋睦郎(ふるさとはたらいにしづくなつのもの)故郷と言えば旧友,山河、叔父叔母、神社仏閣、そういうものを詠めば独自性は無くなる。令和の今、「盥」は死語に近い、当時盥など故郷に限ったものではない、どこにでもあっ…

理屈はいけない

北風にあがらふことを敢てせじ―富岡風生北風にあがらはなくばならぬかな―bn・未発表風生は、人の道の過ごし方を言っているのかも知れない。誰でも知っている、誰でも経験する事、北風に向かって進まなければいけない時がある。風生の句も僕の句も理屈を言っ…

俳句を読む「くちなは」は豊と思う

くちなはをゆたかな縄と思ひけりー櫂 未知子(くちなは)「朽縄・朽ちた縄」なぜこれが豊なのだろう。思うのは自由、僕も思う。 この人、物事を感じ、捉える感性は凡ではない。 全長のさだまりて蛇すすむなりー山口誓子「定まる」ゆるぎなく維持されるような…

紙の家

腰障子紙で隔てる内と外―bn・未発表障子は光りをやわらげ湿度を調節し保温効果も高い(歳時記から)少し熱源があれば部屋はぽかぽか、外は北風、ホームレスの人たちはこの北風をどのように凌いでいるのだろう。紙一枚の違いは大きな違い。紙といえども手すき…

季語が動かなければ秀句である

しぐるるやほのほあげぬは火といはずー片山由美子 時雨るるや時雨るやしぐ・れる【時雨れる】〘自下一〙漢字表記はどちらが正しいのだろう。 文語は「ほのほ(炎)」口語は「ほのお」火が「穂」のように見えるところから来た語だから文語では「ほ」由美子は…

雪国の人に怒られる

来信へすぐに返信冬籠―上野 泰来た手紙にすぐ返事を書くことはなかなか出来ない。この句は「すぐに返信」と言っている。雪国の暮しはよく分からないけれど「冬籠」の季語は凄く働いている。時間はいくらでもある、と言ったら、雪国の人に怒られるかな?

主観を捨てましょう

話は世間なみのことを話せばいい。考える時は、世間も自分も突き放して考えよう。 伊賀に来て翁時雨と言ふに遭ふー石山 貞少し俳句をやっていれば「伊賀に来て」は、「説明」とういことは誰でも分かる。選は創作なり。 中辛の思はぬ辛さ漱石忌―折戸 洋いい句…

詩歌では食えない

作品を批評する場合、専門俳人、専業俳人に属するか、ただの愛好者の俳句なのかを区別すべきだ。僕の言いたいのは、専門、専業俳人は、一般俳人の詠むような作品を発表するな。

神の最大の失敗は心を外に作らなかったこと

久しぶりの更新。 誰か分からないけれど、偉人の言った警句のメモがあった。「人間は壁を造りすぎるが、橋は十分に造らない」。言い換えると、人(自分でもイイ)は心を閉ざすが外には開かない。開かなければ隣人(隣国)と理解し合うことは出来ない。 ある…

分からないから口には出来ない

邯鄲やひとは余命をくちにせずー鷹羽狩行邯鄲は美声でしられる秋の虫。「人間は年をとっても余命なんて口にしない」そもそも、余命など分からない、自分は死ぬようなことはない、と思って生きている。明日死ぬかも分からない、と思って生きている。

俳句でも短歌でも、散文詩でも初めから答えは出さない。

わりたいのにわれない/ちゃわんのへりでこつこつ?/ひにかけたフライパン/におとす?「どこへ」木坂 涼 「わりたいのにわれない」これだけでは対象が分からない、何をわりたいのだろう。「割りたいのに割れない」せめて漢字表記にするべきだ。「茶碗の縁…

何にでもピン、キリがある

男運よくてたいくつ曼珠沙華 中山美樹人間というものは、恵まれていなければ悩み、恵まれていれば退屈する。男の究極の退屈しのぎは戦争を仕掛けること、強国には立向わない、弱小国を選ぶ。しかし、これは核のない時代のこと、もう人間同士の殺し合いはやめ…