2020-01-01から1年間の記事一覧
―正岡子規云ふ― 句調のたるむこと一概には言ひ尽くされねど、普通に分かりたる例を挙ぐれば‘虚字(きょじ)の多きものはたるみ易く、名詞の多き‘者‘はしまり易し。 虚字とは第一に「‘てには」なり。第二に「副詞」なり。第三に「動詞」なり。 故にたるみを少…
何処だつて地球の片隅冬銀河 高橋亜紀彦 言われてみれば東京の真ん中に居ても宇宙から見れば片隅。 市中の片隅にゐて憲法記念の日 小姓 着ぶくれてこの地離るるつもりなし 榊原佐千子 行動の自由、表現の自由です。
水洟をかみ反論に転じたる 内藤美づ枝 大枯野火のつきにき奴ばかり 福本弘明 二句とも独自性がある。 さびしさよ炬燵櫓よ南天よ (炬燵櫓「こたつやぐら」) 一茶 淋しさもぬくさも冬のはじめ哉 正岡子規 丸っきり一茶の路線。
爆ぜるだけはぜ埋火にされにけり 小姓 有馬明人選・(俳句界「俳句総合誌」) (爆ぜるだけはぜ埋火にされてをり) 掲載句はこれでした↑。 ご冥福をお祈りいたします
爆ぜるだけはぜ埋火にされにけり 小姓 有馬明人選・(俳句界「俳句総合誌」) (爆ぜるだけはぜ埋火にされてをり) 掲載句はこれでした↑。 ご冥福をお祈りいたします
雪吊や天へ五丈の芯柱 新聞俳句 何度も記けれど、俳句は世界一短い詩型。 一字の無駄が命取りになる。 この句は「天へ」これが無駄。 しん柱は天に立てるに決まっている、投稿者がこういう句を作るのは仕方がない。 選者こういう句を読者に晒してはいけない…
もしもしにもしもし申す雪月夜 摂津幸彦 もしもしにいきなりコロナ雪の朝 小姓。 コロナ大丈夫。❓ ゆき子さん、かくれ陽性というのもあるからキスはしないほうがいいわよ。
『われは海の子』 我は海の子 白波の さわぐいそべの松原に 煙たなびくとまやこそ 我がなつかしき住家なれ 木曽川の今こそ光れ渡り鳥 高浜虚子 虚子の代表作の一つ。 木曽川はことあるごとに、遊び親しんだ川であるから僕には特に心に沁みる句である。 * 「…
十能も炭斗もなき空気かな (じゅうのうもすみとりもなきくうきかな) 四方万里子 鑑賞のポイントは空気
妻いつもわれに幼し吹雪く夜も 京極杞陽 「も」がだめ。 と言う人は多いと思う。 「も」、は杞陽らしい、杞陽しか使わない、と言いきってもいい。
雨の音は高くなったり低くなったりする・雨の音は雨自身持っている音ではない 高見順 音が無くても雨は存在する。 雨よ・音で自己主張しなくてもよい。 冬ざれや覗けば深き水たまり 岸本尚毅 (冬ざれ)冬になって草木が荒れ、山野、湖沼など一面の景色が蕭…
対談 池田澄子 大木あまり -時を超えて通じ合う- *理想の俳句を追い求めて* 大木 レンブラントやセザンヌとか、画家って死んでから有名になるでしょ? 私、小さい頃からそういう伝記を読んでいて、 芸術家は不幸なのが当たり前だと思っていた。 そして表現…
村ぢうが風邪ひいていてゐる丸木橋 杉森久英 「丸木橋」と言う言葉は子供のころから身体の中に沁みこんでいるが、実際には見たことがない。 一本の丸太の橋では年寄りや子どもは渡れない。 童話の世界、過疎の代名詞。 従って、その村人全員が風邪ひいている…
人間の意見と言うものは昨日と今日とでも違うばかりではなく、食前と食後でも往々にして開きがあるのではないか。 「魯迅(ろじん)評論集」(1881~1936) 中国の文人魯迅に言われるまでもない。 「まず腹に何かを詰め込むまでは喧嘩をはじめないこ…
地吹雪や嘘をつかない人が来る 大口元通 地吹雪・ブリザード・暴風雪 五メートル先が見えない、方向を見失い命をおとすこともある。 掲句。普通なら十分でたどり着けるところを一時間以上かかったのでしょう。 素人が吹雪の芯へ出てゆくと 櫂未知子 「吹雪」…
―・- 「物を書くことは、物をよく観ること。 観て記憶する、それが書くことを磨き上げる。 「出典は島崎藤村随筆集」だったと思う。‐ ―・― 急行の速度になればみな枯野 岩淵喜代子 独想的な感覚で捉えた秀作 今まで急行の速度をこのように捉えた作者はいな…
・ ・ ・ ・ 加賀の山滅紫に眠りけり 藤田直子 (かがのやまけしむらさきにねむりけり) 滅紫(けしむらさき)
片山由美子 初雪や積木を三つ積めば家 たって新しい発想、とは言えないが、面白い句。 お母さんと子供が見える、でも季語が動く。 「吹雪けり積木を三つ積めば家」 「降る雪や積木を三つ積めば家」 「窓の雪積木を三つ積めば家」 これでも遜色ない。 人と会…
・ 木犀や同棲二年目の畳・髙柳克弘 二年目がいいね、三年目だったらこれほど感心を与えられなかったと思う。 秀句。 本を読む母の素足や金木犀・神野紗希 この季重なりは不可。 主季語は金木犀だけれど、上五、中七が金木犀より強すぎる。 季語の斡旋は遠す…
・ ・ ・ 二人はどちらもひどく負け癖がついてゐたから、 或る日、二人で勝負を戦はした結果、二人とも負けてしまった。 トランプ氏とバイデン氏 話上手は相手の話をよく聞くこと、その話に対して、短く的確に応えること。 その応えはみじかいほど話し上手。…
成功は一番素晴らしいことだ。 西洋のどこかの国の言葉。 何処の国の、誰の言葉なのか忘れた。 人は自分本位だ/これは本能/だから戦は絶えない 地球に人がいなくなれば/それに気づく ・
「女性はいくらでもうそをつけますから」 杉田水脈、(衆議院議員)の発言。 まあね、誰にも失言はある。 杉田氏は26日のブログで発言を否定した、これがいけない。 「失言でした、人間はいくらでもうそをつけますから」 これなら問題はない、人は嘘をつく生…
僕は料理は嫌いではない。 秋深し厨のともし消しにけり 小姓 (消す「他動詞」) 秋深し厨のともし消えにけり 「消える」は、自動詞。
「人間は/行方不明の時間が必要です」 何をなすべきか、それがあれば、孤独はよいものである。 そんな場合、敵は自分。 「天高し行方不明の十日かな」 家庭にしろ、会社にしても十日は長い、家庭なら離婚の危機。 会社なら社会からの離脱。 俳句にしても、…
とある家に古雛おそろしかりし 相馬遷子(そうませんし) 作者は医師、往診したのだと思う、古雛(ふるひいな) とあるから先祖代々つづく旧家でしょう。 何故古雛がおそろしいのかがポイント。 贅をつくして拵えたお雛様、人は死ぬが人形は死なない、この句…
晩秋のなぎさ砂踏むきのふ今日 小姓 明日はどうするのだ、人間は群れなければ生きていけないのだぞ。 人には格差がある、私の一時間は一千円。 貴方の一時間は五.六万円。 行方不明になっている場合ではない、働け。 もし僕が選者で相対選なら採るが、絶対選…
新コロナウイルス禍。 例をあげるまでもない、人類はこのような災いを過去、何度も繰り返してきた。 十数年のうちに、地球上の人口は現在の77億人から約85億人に、さらに2050年までにほぼ100億人に達する見込みです。 (ネットサーフィン)から。 ♪鐵道唱歌♪…
日常生活では、詩への無関心は、人類の最も目立つ特徴の一つである。 (イギリス・コラム傑作選・行方昭夫編訳) ここでのコラムニストは‘詩‘と言っているけれど、詩に限定することはない。 何に関心を示すのかでその人が分かる。 高貴であっても、俗人であ…
恐れ多くて、なのか、古池と蛙を詠んだ句に出会ったことがない。 専業俳人、専門俳人は詠んでもそれに同等、または、それを越える句は出来ないから詠まないのだろう。 小姓は俳句で生業を立てていないから評判など恐れない。 古池や後るることはがま蛙 小姓 …