bnkosyouのブログ

表記された言葉の奥にあるもの//言い終えて何かあるか、俳句は詩、ということを忘れている人は多い

2021-01-01から1年間の記事一覧

独創句は強い

囀りや三羽となりて派閥なる 小姓 人も二人になれば力関係が発生する。 烈風の枝を歩いて烏の子 小西雅子 どの針もあはき影持ち針供養 辻 美奈子 言われてみれば「針」にも影はある、でも、それを見たものはいないでしょう

俳句において、本当のような嘘の話は詩になる。

親がらす歩み子からすつづきけり 成瀬桜桃子 鴉のあるく様はぶざま、だからユーモアたっぷり、親の後を子がらすが歩く、童話チック。 カラスに限らず小動物は巣立ちしたら大きさ(外見)からは親子の区別はできない。 作者はそんなことは百も承知。 鳥類にみ…

俳句は意味を言ってはいけない

日帰りの旅やコロナの春立ちぬ 小姓 立春の光ついばむ雀かな 中島伊智子 立春の雪のふかさよ手毬唄 石橋秀野 親からす歩き子からすつづきけり 作者失念

雪の被害に会われたみなさまにお見舞い申し上げます

信州の豪雪地帯に生まれ、晩年を過ごした一茶に「雪」の句が多い。 これがまあ終の住処か雪五尺一茶 住処(すみか)―住家は当て字。 「これがまあ死に処かよ雪五尺」 雪を好んで詠む一方で、雪への恨み言めいた句もある。 雪行け行け都のたはけ待おらん 雪の…

古典俳句(1539,40・・)

元朝の見る物にせん富士の山 山崎宗鑑(やまざきそうかん)(1539,40・・)生年不肖。 もちろん、この時代にテレビなどない、僕が知る限り、この句が一番古い句だと思う。 松尾芭蕉は1644~1694年 (せん「他に先んじての意」) 今の時代で元日の朝、富…

古典俳句

元日やされば野川の水の音 小西來山(こにしらいざん) (1654~1716)305年前の俳人。 句意・(されば)→元日だからこそ、聞きなれた野川の水の音も普段と違った感じに聞こえる。 三百年前と令和の時代では元日を迎える感覚も違うと思う。 元日…

姿を正す

炊飯器に寒あけの水容れにけり 「炊飯器」―名詞につなぎの助詞‘に‘はいらない。 本年もよろしく