囀りや三羽となりて派閥なる 小姓 人も二人になれば力関係が発生する。 烈風の枝を歩いて烏の子 小西雅子 どの針もあはき影持ち針供養 辻 美奈子 言われてみれば「針」にも影はある、でも、それを見たものはいないでしょう
親がらす歩み子からすつづきけり 成瀬桜桃子 鴉のあるく様はぶざま、だからユーモアたっぷり、親の後を子がらすが歩く、童話チック。 カラスに限らず小動物は巣立ちしたら大きさ(外見)からは親子の区別はできない。 作者はそんなことは百も承知。 鳥類にみ…
日帰りの旅やコロナの春立ちぬ 小姓 立春の光ついばむ雀かな 中島伊智子 立春の雪のふかさよ手毬唄 石橋秀野 親からす歩き子からすつづきけり 作者失念
信州の豪雪地帯に生まれ、晩年を過ごした一茶に「雪」の句が多い。 これがまあ終の住処か雪五尺一茶 住処(すみか)―住家は当て字。 「これがまあ死に処かよ雪五尺」 雪を好んで詠む一方で、雪への恨み言めいた句もある。 雪行け行け都のたはけ待おらん 雪の…
元朝の見る物にせん富士の山 山崎宗鑑(やまざきそうかん)(1539,40・・)生年不肖。 もちろん、この時代にテレビなどない、僕が知る限り、この句が一番古い句だと思う。 松尾芭蕉は1644~1694年 (せん「他に先んじての意」) 今の時代で元日の朝、富…
元日やされば野川の水の音 小西來山(こにしらいざん) (1654~1716)305年前の俳人。 句意・(されば)→元日だからこそ、聞きなれた野川の水の音も普段と違った感じに聞こえる。 三百年前と令和の時代では元日を迎える感覚も違うと思う。 元日…
炊飯器に寒あけの水容れにけり 「炊飯器」―名詞につなぎの助詞‘に‘はいらない。 本年もよろしく
―正岡子規云ふ― 句調のたるむこと一概には言ひ尽くされねど、普通に分かりたる例を挙ぐれば‘虚字(きょじ)の多きものはたるみ易く、名詞の多き‘者‘はしまり易し。 虚字とは第一に「‘てには」なり。第二に「副詞」なり。第三に「動詞」なり。 故にたるみを少…
何処だつて地球の片隅冬銀河 高橋亜紀彦 言われてみれば東京の真ん中に居ても宇宙から見れば片隅。 市中の片隅にゐて憲法記念の日 小姓 着ぶくれてこの地離るるつもりなし 榊原佐千子 行動の自由、表現の自由です。
水洟をかみ反論に転じたる 内藤美づ枝 大枯野火のつきにき奴ばかり 福本弘明 二句とも独自性がある。 さびしさよ炬燵櫓よ南天よ (炬燵櫓「こたつやぐら」) 一茶 淋しさもぬくさも冬のはじめ哉 正岡子規 丸っきり一茶の路線。
爆ぜるだけはぜ埋火にされにけり 小姓 有馬明人選・(俳句界「俳句総合誌」) (爆ぜるだけはぜ埋火にされてをり) 掲載句はこれでした↑。 ご冥福をお祈りいたします
爆ぜるだけはぜ埋火にされにけり 小姓 有馬明人選・(俳句界「俳句総合誌」) (爆ぜるだけはぜ埋火にされてをり) 掲載句はこれでした↑。 ご冥福をお祈りいたします
雪吊や天へ五丈の芯柱 新聞俳句 何度も記けれど、俳句は世界一短い詩型。 一字の無駄が命取りになる。 この句は「天へ」これが無駄。 しん柱は天に立てるに決まっている、投稿者がこういう句を作るのは仕方がない。 選者こういう句を読者に晒してはいけない…
もしもしにもしもし申す雪月夜 摂津幸彦 もしもしにいきなりコロナ雪の朝 小姓。 コロナ大丈夫。❓ ゆき子さん、かくれ陽性というのもあるからキスはしないほうがいいわよ。
『われは海の子』 我は海の子 白波の さわぐいそべの松原に 煙たなびくとまやこそ 我がなつかしき住家なれ 木曽川の今こそ光れ渡り鳥 高浜虚子 虚子の代表作の一つ。 木曽川はことあるごとに、遊び親しんだ川であるから僕には特に心に沁みる句である。 * 「…
十能も炭斗もなき空気かな (じゅうのうもすみとりもなきくうきかな) 四方万里子 鑑賞のポイントは空気
妻いつもわれに幼し吹雪く夜も 京極杞陽 「も」がだめ。 と言う人は多いと思う。 「も」、は杞陽らしい、杞陽しか使わない、と言いきってもいい。
雨の音は高くなったり低くなったりする・雨の音は雨自身持っている音ではない 高見順 音が無くても雨は存在する。 雨よ・音で自己主張しなくてもよい。 冬ざれや覗けば深き水たまり 岸本尚毅 (冬ざれ)冬になって草木が荒れ、山野、湖沼など一面の景色が蕭…
対談 池田澄子 大木あまり -時を超えて通じ合う- *理想の俳句を追い求めて* 大木 レンブラントやセザンヌとか、画家って死んでから有名になるでしょ? 私、小さい頃からそういう伝記を読んでいて、 芸術家は不幸なのが当たり前だと思っていた。 そして表現…
村ぢうが風邪ひいていてゐる丸木橋 杉森久英 「丸木橋」と言う言葉は子供のころから身体の中に沁みこんでいるが、実際には見たことがない。 一本の丸太の橋では年寄りや子どもは渡れない。 童話の世界、過疎の代名詞。 従って、その村人全員が風邪ひいている…
人間の意見と言うものは昨日と今日とでも違うばかりではなく、食前と食後でも往々にして開きがあるのではないか。 「魯迅(ろじん)評論集」(1881~1936) 中国の文人魯迅に言われるまでもない。 「まず腹に何かを詰め込むまでは喧嘩をはじめないこ…
地吹雪や嘘をつかない人が来る 大口元通 地吹雪・ブリザード・暴風雪 五メートル先が見えない、方向を見失い命をおとすこともある。 掲句。普通なら十分でたどり着けるところを一時間以上かかったのでしょう。 素人が吹雪の芯へ出てゆくと 櫂未知子 「吹雪」…
―・- 「物を書くことは、物をよく観ること。 観て記憶する、それが書くことを磨き上げる。 「出典は島崎藤村随筆集」だったと思う。‐ ―・― 急行の速度になればみな枯野 岩淵喜代子 独想的な感覚で捉えた秀作 今まで急行の速度をこのように捉えた作者はいな…
・ ・ ・ ・ 加賀の山滅紫に眠りけり 藤田直子 (かがのやまけしむらさきにねむりけり) 滅紫(けしむらさき)
片山由美子 初雪や積木を三つ積めば家 たって新しい発想、とは言えないが、面白い句。 お母さんと子供が見える、でも季語が動く。 「吹雪けり積木を三つ積めば家」 「降る雪や積木を三つ積めば家」 「窓の雪積木を三つ積めば家」 これでも遜色ない。 人と会…
・ 木犀や同棲二年目の畳・髙柳克弘 二年目がいいね、三年目だったらこれほど感心を与えられなかったと思う。 秀句。 本を読む母の素足や金木犀・神野紗希 この季重なりは不可。 主季語は金木犀だけれど、上五、中七が金木犀より強すぎる。 季語の斡旋は遠す…
・ ・ ・ 二人はどちらもひどく負け癖がついてゐたから、 或る日、二人で勝負を戦はした結果、二人とも負けてしまった。 トランプ氏とバイデン氏 話上手は相手の話をよく聞くこと、その話に対して、短く的確に応えること。 その応えはみじかいほど話し上手。…
成功は一番素晴らしいことだ。 西洋のどこかの国の言葉。 何処の国の、誰の言葉なのか忘れた。 人は自分本位だ/これは本能/だから戦は絶えない 地球に人がいなくなれば/それに気づく ・
「女性はいくらでもうそをつけますから」 杉田水脈、(衆議院議員)の発言。 まあね、誰にも失言はある。 杉田氏は26日のブログで発言を否定した、これがいけない。 「失言でした、人間はいくらでもうそをつけますから」 これなら問題はない、人は嘘をつく生…