bnkosyouのブログ

表記された言葉の奥にあるもの//言い終えて何かあるか、俳句は詩、ということを忘れている人は多い

俳句

俳句を読む「くちなは」は豊と思う

くちなはをゆたかな縄と思ひけりー櫂 未知子(くちなは)「朽縄・朽ちた縄」なぜこれが豊なのだろう。思うのは自由、僕も思う。 この人、物事を感じ、捉える感性は凡ではない。 全長のさだまりて蛇すすむなりー山口誓子「定まる」ゆるぎなく維持されるような…

紙の家

腰障子紙で隔てる内と外―bn・未発表障子は光りをやわらげ湿度を調節し保温効果も高い(歳時記から)少し熱源があれば部屋はぽかぽか、外は北風、ホームレスの人たちはこの北風をどのように凌いでいるのだろう。紙一枚の違いは大きな違い。紙といえども手すき…

季語が動かなければ秀句である

しぐるるやほのほあげぬは火といはずー片山由美子 時雨るるや時雨るやしぐ・れる【時雨れる】〘自下一〙漢字表記はどちらが正しいのだろう。 文語は「ほのほ(炎)」口語は「ほのお」火が「穂」のように見えるところから来た語だから文語では「ほ」由美子は…

雪国の人に怒られる

来信へすぐに返信冬籠―上野 泰来た手紙にすぐ返事を書くことはなかなか出来ない。この句は「すぐに返信」と言っている。雪国の暮しはよく分からないけれど「冬籠」の季語は凄く働いている。時間はいくらでもある、と言ったら、雪国の人に怒られるかな?

主観を捨てましょう

話は世間なみのことを話せばいい。考える時は、世間も自分も突き放して考えよう。 伊賀に来て翁時雨と言ふに遭ふー石山 貞少し俳句をやっていれば「伊賀に来て」は、「説明」とういことは誰でも分かる。選は創作なり。 中辛の思はぬ辛さ漱石忌―折戸 洋いい句…

詩歌では食えない

作品を批評する場合、専門俳人、専業俳人に属するか、ただの愛好者の俳句なのかを区別すべきだ。僕の言いたいのは、専門、専業俳人は、一般俳人の詠むような作品を発表するな。

神の最大の失敗は心を外に作らなかったこと

久しぶりの更新。 誰か分からないけれど、偉人の言った警句のメモがあった。「人間は壁を造りすぎるが、橋は十分に造らない」。言い換えると、人(自分でもイイ)は心を閉ざすが外には開かない。開かなければ隣人(隣国)と理解し合うことは出来ない。 ある…

分からないから口には出来ない

邯鄲やひとは余命をくちにせずー鷹羽狩行邯鄲は美声でしられる秋の虫。「人間は年をとっても余命なんて口にしない」そもそも、余命など分からない、自分は死ぬようなことはない、と思って生きている。明日死ぬかも分からない、と思って生きている。

俳句でも短歌でも、散文詩でも初めから答えは出さない。

わりたいのにわれない/ちゃわんのへりでこつこつ?/ひにかけたフライパン/におとす?「どこへ」木坂 涼 「わりたいのにわれない」これだけでは対象が分からない、何をわりたいのだろう。「割りたいのに割れない」せめて漢字表記にするべきだ。「茶碗の縁…

何にでもピン、キリがある

男運よくてたいくつ曼珠沙華 中山美樹人間というものは、恵まれていなければ悩み、恵まれていれば退屈する。男の究極の退屈しのぎは戦争を仕掛けること、強国には立向わない、弱小国を選ぶ。しかし、これは核のない時代のこと、もう人間同士の殺し合いはやめ…

充実の秋

おまえはお前の人生の秋に入っていること、春の魅力や夏の輝きは過ぎ去って帰ってこないこと・・・略・・・自分に言い聞かせておけ。「人生について―日記抄」(土居寛之訳)アミエル アミエルは自分に言い聞かせている。秋は魅力を振りまく必要はない、輝く…

詩は虚実の間で成立する

媚びてると/われを言いたる/人がいて/それから百夜/眠っていない・江戸 雪作者はどういう人なのか、何歳なのか、男か女か、情報は全くない。百日眠っていない、嘘だ、そんなことあり得ない、虚言癖のある人なのかな。「媚びている」と言われたことは事実でし…

「概念」・何という難しい単語なのだ

概念―事物の本質をとらえる思考の形式。事物の本質的な特徴とそれらの連関概念の内容。概念は同一の本質を持つ一定範囲の事物に適用されるから一般性をもつ。例えば、人という概念の内包は人の人としての本質的特徴であり、外延はその特徴をもつあらゆる人々…

寝た者は転倒する恐れがない

寝た者は顛倒(てんとう)する恐れがない。身を低く屈める者は驕る恐れがない。詩人・バニヤン(1628~1688)イギリス。「ハートで読む英語の名言」加島祥造 当然「逐語」で読まない。読んだら名言にはならない。車に乗らなければ被害者にはなるが、…

見つかれば殺されてしまう。

冤罪を負うて蜚蠊生れけりー笹下蟷螂子(えんざいをおうてごきぶりうまれけり)ゴキブリ自身悪いことをしているとは思っていない、見つかれば殺されてしまう。生れたばかりのゴキブリは間違いなく純真無垢だ。「負うて」は「負ふて」が正しい。うッ・・「・…

ラクビー後進国

日本の秋を尽くして楕円の輪ーbn さっきから仕方ないかと言うハンカチー池田澄子

俳句は読者と共同作業

秋の夜装丁威張る文庫本―bn

事件に巻き込まれた死

けふよりは父亡き日々よ冷奴ー澤井洋子逝かれたお父さんの年齢、看取られた洋子さんの年齢によって解釈、鑑賞は大きく変わってくる。人の死にもいろいろある、多分、誰でもそうだと思うけれど、事件に巻き込まれた死は耐えられない。

文法の間違い

日に三度くすりをのんで秋ふかむー喜多みき子「秋深し」は、冬隣、明日は立冬。「秋深む」は、だいぶ秋が深くなったなぁー、という感慨。この人は決まった時間に何年も薬を飲んでいるのでしょう、四時代で暗くなる冬期、七時でも明るい夏。薬を飲むことによ…

答を出すのは読者

怒号より強き黙あり冬の海―大串 章「より」-①〘副〙(多く形容動詞の上に付けて)それまでの程度をこえて。いっそう、さらに、もっと。 ②〘助詞〙(格助詞)動作の起点となる地点・・・(活用語の連体形について)ことが起ってすぐ後の事の続く意をあらわす…