bnkosyouのブログ

表記された言葉の奥にあるもの//言い終えて何かあるか、俳句は詩、ということを忘れている人は多い

俳句鑑賞

冬の坂のぼりつくして何もなしー木下夕邇
何もないことはない、何かある。
夕邇には何もない物、があった。

山寺に蒟蒻売りや春寒しー鬼城
蒟蒻売りと山寺しかない。

雨風に木の芽一刻も休まざるーみどり女
確かに,ひと時も休まない。
木の芽だけではない、生ある物、この世に存在するもの、石ころ、全て休まない。

声たてぬ時がわかれぞ猫の恋ー千代女
あの、「朝顔に釣瓶とられてもらい水」の千代女。
千代女は謎の俳人、この句も千代女が創ったかどうかは分からない。