2019-10-07 俳句鑑賞 冬の坂のぼりつくして何もなしー木下夕邇何もないことはない、何かある。夕邇には何もない物、があった。 山寺に蒟蒻売りや春寒しー鬼城蒟蒻売りと山寺しかない。 雨風に木の芽一刻も休まざるーみどり女確かに,ひと時も休まない。木の芽だけではない、生ある物、この世に存在するもの、石ころ、全て休まない。 声たてぬ時がわかれぞ猫の恋ー千代女あの、「朝顔に釣瓶とられてもらい水」の千代女。千代女は謎の俳人、この句も千代女が創ったかどうかは分からない。