bnkosyouのブログ

表記された言葉の奥にあるもの//言い終えて何かあるか、俳句は詩、ということを忘れている人は多い

生き比べ

       前向ける雀は白し朝ぐもり

                    中村草田男

                   さすが一流俳人

 

        皮となる牛乳のおもてや朝ぐもり

                     日野草城

            牛乳は「チチ」と読まなければ定型に収まらない。

    「朝曇り」は夏の季語、牛乳が膜をはるのは温めて表面が冷えたら膜がはる。

        夏は牛乳を冷やして飲む、これは小さいミスではない。

          草城も一流俳人、俳句は過誤(過失)をくり返す。

 

        掃き下りる寺の脇坂朝曇り

                  斎藤史

              「脇坂」という単語はない。

               でも、情景は見える。

 

            朝ぐもり海かぜ戦ぐ生き比べ

                    bn

                (戦ぐ「そよぐ」)