bnkosyouのブログ

表記された言葉の奥にあるもの//言い終えて何かあるか、俳句は詩、ということを忘れている人は多い

新年おめでとうございます

元日や草の戸ごしの麦畑<招波>
招波は江戸時代の俳人、俳句では古典俳句になるのか?
元日や、の、や、は切れ字だけれど、元日を強く打ち出した、や、でもある。
「草の戸」というのは、草でこしらえた戸。
「麦畑」俳句門外漢の方にはこれでつまずく、文章としては分からない、麦畑がどうしたのだ、と言う疑問が生じる。
俳句は省略の文学、俳句の門に入って早い時期にこれを教わる。
「元日の日に,草で編んだ裏の戸の向うに麦畑が見える」散文で説明すればこうなる。
この「・・が見える」という動詞が省略されている。
「草の戸ごしの麦畑」と言っているけれど「裏」なんて言っていない。
俳句は意味じゃない、言外に隠されているものがある「裏」を読み解かなければつまらない句、令和の今に残ることはない。
招波は門松で飾り立てられた表のお正月を言っている。
表に,草で編んだ戸は立てない。