bnkosyouのブログ

表記された言葉の奥にあるもの//言い終えて何かあるか、俳句は詩、ということを忘れている人は多い

「極私的袖のしぐれを小夜しぐれ」 「を」この間投助詞、を/で切るのでしょうか。 どのように読み解くのか? もし、芭蕉が読んだらどのように解するのか? 「極私的袖のしぐれに小夜しぐれ」「極私的袖のしぐれや小夜しぐれ」なら分りやすい。 芭蕉に「を」を使った時雨の句があったことを思いだして、記事にしてみました。


         人々をしぐれよ宿は寒くとも
                      芭蕉
通釈句会の座敷がたとえ寒くなろうともかまわぬ、時雨よ一降り降って風雅を求めて集まった人々に詫びた風趣を添えよ。

         外来の路通を交えた伊賀門人の会での作。
    「人々を」の「を」は感動の対象示す間投助詞から転じた格助詞。
              詠嘆的気分が強い。
            「人々に」の平板とは異質。
     新潮日本古典集成・芭蕉句集・今 栄蔵 校注・新潮社版

「人々しぐれよ宿は寒くとも」とは異質、としか言っていないけれど、作品は「に」「を」では大きく質が違う。「に」は意味が付く、俳句は意味を付けると質が落ちる。