人々をしぐれよ宿は寒くとも
芭蕉
通釈・句会の座敷がたとえ寒くなろうともかまわぬ、時雨よ一降り降って風雅を求めて集まった人々に詫びた風趣を添えよ。
外来の路通を交えた伊賀門人の会での作。
「人々を」の「を」は感動の対象示す間投助詞から転じた格助詞。
詠嘆的気分が強い。
「人々に」の平板とは異質。
新潮日本古典集成・芭蕉句集・今 栄蔵 校注・新潮社版
「人々にしぐれよ宿は寒くとも」とは異質、としか言っていないけれど、作品は「に」と「を」では大きく質が違う。「に」は意味が付く、俳句は意味を付けると質が落ちる。