bnkosyouのブログ

表記された言葉の奥にあるもの//言い終えて何かあるか、俳句は詩、ということを忘れている人は多い

漱石俳句

 

子らの風邪癒えたり庭に枕干す
小林千史
菠薐草スープよ煮えよ子よ癒えよ
西村和子
上の二句は嫌味がない。

病癒えず蹲る夜の野分かな
夏目漱石
やはり漱石は文学者で、俳人ではない。
「病癒えず」色で言えばこれは黒。
「蹲る夜の野分かな」これは灰色。
言葉も内容も響き合ていない。

秋風や葬られゆく牛の尻
漱石
やはり、と言ったのはこの句もそうだから。
俳人だったらこうは詠まない。
言葉が響き合っていない。