俳句を読み解く
薄暑光空の上にも空があり
関根かな
雲は偏西風によって流されていく、比べる物があれば高さも分かる。
空に浮かんでいる雲、その上にも空がある、そんな句意だと思う。
一枚の雲が下と上に分けている、言われてみれば納得してしまう。
日盛りの雲崩れずに過ぎにけり
茨木和生
この句は、雲が崩れないで通り過ぎて行った、ではない。
そうだとしたらつまらない句。
日盛りは、正午から午後三時ごろだろう、その間、崩れないで時間が過ぎた。
そのように解釈した方が面白い。