bnkosyouのブログ

表記された言葉の奥にあるもの//言い終えて何かあるか、俳句は詩、ということを忘れている人は多い

歌舞伎十八番

襖みな外して富士を迎へけり―須藤常央
みな外してしまったのですか、「開け放って」なら自然に受け入れることが出来ます。
強い表現は作意を感じてしまいます。

夕映の暫く倚るは冬襖角川源義
(倚る「よる・もたれる・よりかかる」)(広辞苑
「しばらく」の解釈、歌舞伎十八番の一つ、なのか。
少しの間・しばし・暫時なのか。
「襖」は冬の季語、分からないのは、なぜ「冬襖」と季語を修飾したのでしょう。
角川源義だから混乱してしまいます。

「親父、俳句は上手くなかった」角川春樹
ちょっと待った、「俳句の角川・角川の俳句」の創始者だ、それはない。
歌舞伎の「シバラク」は、その道で世界に知れ渡っている。
「夕映」も「倚る」も「冬襖」も歌舞伎の一場面をおもいうかべれば輝いてくる。

震度2ぐらいかしらと襖ごしに言う池田澄子
面白い、会話俳句は作者の右に出る人はいない。
ここの「襖」は季語としては半分ぐらいの働きしかない。
後の半分は、季語を「言葉」として使っている。