bnkosyouのブログ

表記された言葉の奥にあるもの//言い終えて何かあるか、俳句は詩、ということを忘れている人は多い

こういうつまらない俳句

相談の結果今日から夏布団池田澄子
折につけ思い出す俳句がある。
自分の俳句なのに、思い出す句と、余り思い出さない句、それからきれいさっぱり忘れている句がある。
掲句は毎年必ず思い出す。
相談の結果、今日から夏布団にするという日が必ずあるからだ。
自分で思い出して、よくまあ、こんなつまらないことを俳句にしたものだと、ちょっと自分を褒めてあげる。
ここで言うのはなんですが、虚子にはよく、こういう珍しくもないことを臆面無く詠んだ句がある。
シリーズ自句自解Ⅰ・ベスト100・発行所・フランス堂
・澄子は押し並べてこういうつまらない俳句のオンパレードである、だから句集を買ってしまう。
ここで一言突っ込まなければいけないこと・「ちょっと自分を褒めてあげる」自分に対して「あげる」はないでしょう。

ラソンのメダリスト、有森裕子の「自分で自分を褒めてやりたい」がある。
言葉に対して訓練されている俳人は、既成の言葉を使うのを避けるという本能が働いてしまうのでしょう。
「こんなつまらないことを俳句にしたものだと」これは澄子の自慢なんだと思う。

俳句はどこまで「馬鹿になれるか」の競争です_岸本尚毅
とりあへず出して置くなり夏座布団―bn
池田澄子選・角川平成俳壇・佳作