bnkosyouのブログ

表記された言葉の奥にあるもの//言い終えて何かあるか、俳句は詩、ということを忘れている人は多い

2019-01-01から1年間の記事一覧

漱石が脳天気だったら名作は生まれなかった

魂にも身体と同じに健康と病気がある。両者は信仰と習慣によって左右される。人がいなければ神は存在しない、これは自明の理、人が、人を左右するには、神をもって来れば易い。雁風呂や波の上なる宵の星―棚山波朗「雁風呂」秋に渡来するとき咥えてきた木片を…

私の選が絶対だというやり方もあります。

日焼けなき腕時計痕へ腕時計―池田澄子意味なんて何もない、理屈もない、俳句は意味を言うものではない、理屈もダメ。掲句は、澄子の句、澄子の創作。 鵙猛る食はずに贄にしてしまうーbn池田澄子選・角川平成俳壇・佳作見栄っぱりの鵙もいる、本当は食いたか…

こういうつまらない俳句

相談の結果今日から夏布団ー池田澄子折につけ思い出す俳句がある。自分の俳句なのに、思い出す句と、余り思い出さない句、それからきれいさっぱり忘れている句がある。掲句は毎年必ず思い出す。相談の結果、今日から夏布団にするという日が必ずあるからだ。…

「冷たし」「底冷え」は冬の季語。

冷やか・冷ゆ・冷え・冷え冷え・冷や冷や・冷気空気が冷えてくると、肌に触れる物に、冷たいというほどではないが、冷ややかさを感じる。事物を心理的に捉える場合にも、この表現を使うことがある。(歳時記)より。冷え冷えとわがゐぬわが家思ふかなー相馬…

季語をとったら残るのは何語ですか

飯田龍太全集・拝論・拝話Ⅰ・角川学芸出版 「文芸広場」(昭和五九年十二月号)の対談の中で、詩人の田中克己氏が「俳句の方は全くやりませんか」という問いに対し、田中「はい。だって季語をとったら残るのは何語です。やはり第二芸術ですね。第二芸術とは…

俳句の先生は自分

俳句入門三十三講・・飯田龍太・・講談社何年か前から、私は、俳句は没になっても、一年ぐらいは保存してもらいたい、こういうことを申し上げています。その基本的な考えは、俳句の場合は、撰者兼作者だということです。もっと詰めていえば、俳句の特性は作…

凡人ではない

蛇の悩み舌がひらひら出てしまう_池田澄子草濡れたり抜かれたりして八月来_澄子漬物がすっぱく春の日が西に_澄子 まいったなぁー、この人、蛇が悩んでいるかどうかどうして分かるんですか?あれって、出しているのと違いますか?・・・本当は出したくない…

声もない、音も小さい

梅を干す真昼小さな母の音―飯田龍太音で存在を感じている、音で母親が何処に居るのかも分かる。龍太は原稿の締め切りに追われ、筆を走らせているのでしょう。「梅を干す真昼小さな母の背」・・・だったら凡。夏の真昼、人は屋内で暑さを耐え凌ぐ、従って声も…

季語が治まらないと根なし草みたい

梅雨の川こころ置くべき場とてなしーー飯田龍太 岩々の見え重なるや梅雨の瀬にーー蛇笏という一句が思い浮かんだ。私のこの句は、対象から眼を外らしている。 ということは、「梅雨の川」でなくてもイイ、ということでしょう。季語が動く。桃の花こころ置く…

詩というものは、元来独断的なもの。

今朝の秋つじつま合わぬ夢に覚む---山田重子人の世に生きていれば、つじつまの合わないことは間々ある。人は、見たこと、聞いたことを、自分に都合のいいように加工・編集する。だから、何処かつじつまが合わなくなる。 池田澄子・・三句何もなき郵便受けや…

秋彼岸

秋彼岸父の昔を母語りー野見山智子お父さんは亡くなられている、季語が彼岸だから。「秋高し父の昔を母語り」だったら、お父さんは亡くなられてはいないのでしょう。 秋彼岸好きな道来て賞罰なしー中島福子「季語」は納まっているのか、遠すぎるのではないか…

読んだ人は分析しはじめる、

ガーベラのラの埋もれたる苗札ぞ神野紗希自明の句、何の説明もいらない。若い作者だから特別冒険した句ではない。 俳句は発表されたら一人歩き始める。読んだ人は分析しはじめる、それでないと発表した価値がない。 「ぞ」なぜ、そんな助詞を使うのでしょう…

他動詞とか自動詞とか

枯れはてしおどろが下や水仙花ー正岡子規 俳句を読み解くには辞書なくしては解くことが出来ない。 うーん、?子規は「や」できっているね。 おづおづと夕日沈める冬至かなー鈴木真砂女「沈める」は、他動詞だ、真砂女が沈めることはできない、となれば、冬至…

既成句を抜け出しましょう

NHK俳句から・・撰者・長嶋 有図書館に本多すぎて五月雨るる_長嶋 有冷房や絵を視る人を見る仕事_松山蕗州後期高齢クーラー嫌い夏嫌い_九法活恵クーラーや本屋に掏摸も妊婦もゐ_上木三巳(掏摸「すり」)言っていない、理屈もない、意味もない。長嶋 有…

「若き日の」←これは説明

若き日の父の着流し祭鱧・・井上弘美俳句は言ってはいけない、理屈もダメ、意味が付いてもダメ。 代々の砥石の減りも祭鱧「にも」俳句。 井戸水に冷やすあれこれ祭鱧NHK俳句の入選句。「水」なんていらない。 代々の砥石の減りや祭鱧・・bn 「も」では意味が…

耳が酸っぱくなる

豪雨の被害にあわれた方々、心よりお見舞いもうしあげます。皆案じくれし出水禍越えて来しー浜口まち子この句、どのように解釈すればいいのだろうか?「皆案じくれし出水禍」これは分かる、でも、何を越えてきたのかは曖昧。作者は洪水の被害に会っていない…

目を皿にしてみろ

眼を皿にしてよく見て下さい。アメリカ人は全員が目を細めて見ていた。物を見るのも、考えるのも角度がある。皿にしてみて下さい、と言っているのに目を細める。心の目で見ましょう、一度角度が違えば同じものを見ても違った物がみえてくる。

「堅く短きもの」とは何だろう

『風花や堅く短きもの思ふ』三橋敏雄、岡井隆と選んだ。「風花」は青天にチラつく雪のこと。「堅く短きもの」は読者それぞれ勝手に想像すべきもので、具体的に何と指定することはできない。ちなみにわたし(著者)はそのような形状の前衛的オブジェを想像し…

退位

天皇の退位卯の花腐しかな・小姓来し方をいへば卯の花腐しかな・岸田稚魚 俳句をやらない人に聞いたら、分かる人は誰もいなかった。

読むと詠むは車の両輪

批判を恐れていたら何も出来ない。 驚くは打ち破りたるつばくらめ 小姓燕の打ち破ったこと、燕側からすれば当然の事をしただけ。何も驚くことではない。人間の分際では出来ないことをしでかした。 確かと見しは寄せ来る夏落ち葉 大屋達治「寄せ来る」夏落ち…

俳句は片言でいい

「ゐの中のはれて無罪の五月来る」小姓

アアー落ちた!

向きあうて茶を摘む音をたつるのみ 皆吉爽雨とりあへず書きし表札鳥雲に 西村和子事情があっての仮住まいでしょう。 鳥くもり子が嫁してあと妻残る 安住 敦 季語は意味ではない。 今落ちし椿を拾はざるはなし 小姓

いかにバカになるかの競争である

待ちて今日ぜんまい土をやぶりけり 水原秋櫻子 寒椿今年は咲かぬやうすなり 正岡子規 暮れてゆく糸瓜に長さありにけり 雨宮きぬよ 芭蕉の、俳句は三尺の童にさせよ、から始まり。 俳句は、下手に作れ、ボーっと作れ、ヌーっと作れ。虚子。 俳句は、強い言葉…

有名俳人でも凡作はある

並べて鑑賞すれば優劣がはっきり分かる。 炭を挽く静かな音にありにけり 高浜虚子 炭を挽く音が静かだ、ただそれだけ、深読みすれば出来ないことはないけど, 凡作は免れない。 炭をひくうしろ静の思ひかな 松本たかし 背後に思いを馳せている、深読みしなく…

おしろいが咲いて子供が育つ路地ー 菖蒲あや鉛筆で蟻をさいなむ夜の机上ー 片山由美子形から言って「あや」の句の方が上。由美子の句は饒舌。だから悪い句と言っているのではない。 鉛筆で人をさいなむ日永かなー小姓これではダメ「人」は説明で意味付け。鉛…

令和

平成の令和は常の養花天・bnkosyou (へいせいのれいわはとはのようかてん )

僕の句会ならこのように言う

ひぐらしや尿意ほのかに目覚めけり 正木ゆう子 何時目覚めたのか、(昼、夕方)はそれほど拘ることはない。 「尿意を仄かに感じて目覚めた」これは俳句的表現。 「尿意ほのかに」これが面白い、ゆう子の言いたいのもこれだと思う。 そうだとしたら、目覚めけ…

やがてわが真中を通る雪解川正木ゆう子色々深読みして言葉を並べれば雪解川を逆流させることも出来る。「やがて」←おっつけ。まもなく。ほどなく。そのうち。早晩。今に。(広辞苑)私の真ん中を通る。作者は女性、男のぼくから読み解けば、エロチシズム。エ…

理屈が入がれば嫌味感漂う

一句得るまでは動かじ石蕗の花阿部みどり女文語でかな書きは(「得る」うる) 鳰のよく潜るさいはひさはにあり岡井省二失礼だとは思いますが、このを句読み解ける人は少数だと思う。読み解けても、解けなくても生活に何の変化もない。読み解ければ、少し幸せ…

漱石俳句

子らの風邪癒えたり庭に枕干す小林千史菠薐草スープよ煮えよ子よ癒えよ西村和子上の二句は嫌味がない。 病癒えず蹲る夜の野分かな夏目漱石やはり漱石は文学者で、俳人ではない。「病癒えず」色で言えばこれは黒。「蹲る夜の野分かな」これは灰色。言葉も内容…